敬語の基本 〜正しい敬語の使い方〜

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敬語の分類

3分類 5分類 特 徴
尊敬語 尊敬語 素材敬語 自分より高めて言い表すことば。
相手や相手の行動、状況、物などへの敬意を表すもの。
謙譲語 謙譲語I 自分がへりくだることで相手を敬う日本独特の表現方法。
こちらを低め、その結果相手を敬う尊敬表現。
謙譲語II 対者敬語 聞き手が話し手よりも上位であることを表すことば。
丁寧語 丁寧語 話ぶりを丁寧にしたことば。
接頭語「お」「ご」「御」などを、語尾に「です」「ます」
「ございます」などをつけて相手への敬意を表すことば。
美化語 - 上品とされる言い回し・言葉遣い。

付けたし型と言い換え型

尊敬語・謙譲語

尊敬語 付けたし型

言葉に「〜れる」や「〜される」などの言葉を付け足してつくるパターン
(例)
「先生の書かれる字は、すごくきれいだ。」
「社長の奥様が持たれている花束はきれいです。」
 
〜される 敬意 小
お〜になる、ご〜になる 敬意 中
お〜なさる、ご〜なさる
お〜くださる、ご〜くださる 敬意 大

謙譲語 付けたし型

言葉に「お〜する」や「ご〜する」などの言葉を付け足してつくるパターン 当協会までお送りください。
(例)
「部長にご相談する。」
「書類をお届けに参りました。

お〜する、ご〜する 敬意 小
お〜いたす、ご〜いたす
お〜申し上げる、ご〜申し上げる 敬意 中
〜させていただく
〜ていただく、〜していただく
お〜願う、ご〜願う
お〜いただく、ご〜いただく 敬意 大
お〜にあずかる、ご〜にあずかる

「付け足し型の尊敬語」とよく似ていて、注意が必要な言い回しがあるので、注意しましょう。

謙譲語 間違い例

「私が伝えます」 ⇒ 謙譲語
「社長が伝えになります」 ⇒ 尊敬語

尊敬語・謙譲語 言い換え型

普段 丁寧語 尊敬語 謙譲語

する

します

される、なさる

いたします

思う

思います

お思いになる

存じます

いる

います

いらっしゃる

おる

言う

言います

おっしゃる

申し上げる

聞く

聞きます

聞かれる

拝聴する

見る

見ます

ご覧になる

拝見する

行く

行きます

行かれる

うかがう

来る

行きます

いらっしゃる

参る

会う

会います

会われる

お目にかかる

知る

知っています

ご存知になる

存じる

読む

読みます

読まれる

拝読する

書く

書きます

書かれる

書かせていただく

食べる

食べます

召し上がる

いただく

丁寧語『お』と『ご』の付け方

一般的な付け方

「お」 ⇒ 訓読みの言葉に付けられる (例) お手紙、お名前、お食事、お気持ち
「ご」 ⇒ 音読みの言葉に付けられる (例) ご講演、ご心配、ご住所、ご感想

慣用的なもの

ごはん、お盆、ごちそう、ご覧になる、おはようございます、お酒

「お」「ご」を付けない

公共物 ・・・ 学校、市役所、電車、会議室
動植物 ・・・ 犬、ねこ、バラ
外来語 ・・・ トイレ、ビール、コーヒー
「あ」「お」で始まる言葉・・・ 頭、応接室
自然現象 ・・・ 地震、雨、風

二重敬語(過剰敬語)

1つのことばに同じ種類の敬語を2つ以上つけてしまう誤り。

@ ご注文をお承りました ⇒ ×
A ご注文を承りました   ⇒ ○
B ご注文をお受けしました ⇒ ○

ポイント
承るは「わかる」の言い換え型の謙譲語で、「お〜する」は付け足し型の謙譲語です。
文例@は、これらの謙譲語が二重に使われています。

例2

@社長がおっしゃられたことは、ごもっともだと思います ⇒ ×
A社長がおっしゃったことは、ごもっともだと思います ⇒ ○

ポイント
「おっしゃる」は、「言う」の言い換え型の尊敬語で、「られる」は付け足し型の尊敬語です。
この2つの敬語表現を重ねることは間違いです。

最近の誤用敬語

普段の生活の中で間違って使われている言い回し、表現を例にあげました。 みなさんも注意しましょう。

お忘れ物をいたしませんよう、気をつけてください。
       ⇒ 「いたす」は謙譲語。「なさいませんよう」が適切です。